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a day in the life 庵里直見 フォーナイン 99.99tt |
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宮里藍選手のメンタル
2010年シーズン、宮里藍選手は開幕2連勝、44年ぶりの快挙という素晴らしいスタートを切りました。そして日本の開幕戦でも上位争いをし、私たちに元気な姿を見せてくれたのです。 「しっかり自分をコントロールし、1打に集中」と言っていた彼女ですが、最終日の11番パー5で右ラフから残り30ヤードの第3打がグリーンを外れ、ボギー。 「あの1打がターニングポイントになった。あそこで流れに乗れず、『きょうは私の週じゃないかも』と思った」そうです。 彼女はこの言葉をよく口にします。彼女が感覚的に物事を把握していることがよく分かります。結果は7位。そして期待の高まるメジャーについて、次のような言葉を残しています。 「近づいている実感はある。粘り強くプレーすることを心がけていけば、どのメジャーでも戦えると思う」 「このタイミングで地元に帰ってこられたのは大きい。沖縄のみなさんからたくさんパワーをもらった」
しかし、タイ、シンガポールという熱帯での優勝争いが疲れとなっていたのでしょうか、米ツアー第3戦のキア・クラシックでは39位。 「ポコポコなグリーンに気をとらわれているのを再確認して、良いフィーリングを保ったままストロークするにはどうしたらいいか」。その答えが、「短い距離は何も考えないでも入ってくれる。その意識を長い距離に持っていくだけ」 意識の切り替えで乗り切ろうとしたのですが、それがうまくいかなかったということでしょう。
「後悔することはありません。シーズンはまだ3試合が終わっただけ。これからどういうプレーをしていくべきか、改めて見えました」 「しばらくメジャーから遠ざかっているので、『あ、こういうフィーリングが大事だな』と思い出しながら回りました。来週に繋がると思うし、充実した気持ちのまま入れます」 米紙にメジャーに向かう気持ちをこう語っています。 「多くのことを期待すると自分自身を見失う。期待する代わりに一つ一つのショットに集中する」
そして迎えたメジャー、クラフト・ナビスコ選手権初日。2オーバーで回って、 「良いパーセーブが沢山あって、ナイス2オーバーみたいなところです」 「パットのお陰で、2オーバーで上がれているようなもの。一つ入れば決まっていく感じはあります」と、前週苦しんだパットは復調の気配を感じているようでした。 ショットの乱れにも「風ですね。自分の中でそこまで大きなミスではないです」。 「アイアンの距離感は良い感じで出ているけど、チャンスにつかず微妙な感じでした。バーディチャンスについたところは、難しいラインが多かった」 調子の上がらぬまま通算6オーバーで迎えた迎えた2日目の最終18番パー5。ティショットはフェアウェイをとらえ、ピンまで211ヤード。「バーディが必要なことは分かっていた」。 つま先下がりで左足下がり。難しいライでしたが、「アドレスしてみたら、行けそうな感じだった」。宮里選手は3Wで、果敢に2オンを狙いましたが、ボールは池に。仕方なく池の手前にドロップし、4打目はピンそば1m少し。「(最初から)これで良かったじゃん!」。しかし、パットはカップをすり抜けボギーでフィニッシュ。通算7オーバーで、カットラインに1打及ばず今季初の予選落ちとなってしまいました。
「微妙な距離感が出ていなかった。しばらく、こういうゴルフをしていなかった」 「先週はポコポコのグリーンだったけど、今週これだけスムーズなグリーンでも入らないのは、自分にも原因があると思う」とパットを反省。 「18番のセカンドについて、ミック達と話をします」 練習グリーンでミック、父、コーチらと話し合いを行った宮里選手はこみ上げる悔しさに涙をこぼしました。 父・優氏は「2連勝した時のフィーリングを作ろうとし過ぎている。本当はそんなに差がないと思うけど」。
彼女は以前のメカニック重視のゴルフから、フィーリング重視のゴルフに転換を図ることによって、ツアーで3勝を挙げることができたのですが、そのフィーリングに迷っているというのが父親の考えのようです。 私は昨年の全米女子プロの二日目の彼女の次の言葉に鍵があるように思えます。自分のミスショットに腹を立てキャディと口をきかなかったことがあったのです。
「自分に期待しすぎて、ミスをした時に自分を抑えられなかった」
これ以上はないという開幕を飾り、沖縄の人からパワーを貰って挑んだメジャー。知らず知らずのうちに彼女は自分に大きな期待をしていたのではないでしょうか。 それがバーディなしという現実によって、気持ちが空回りしてしまった。
開幕からの彼女のことばには冷静さが感じられますが、開幕2連勝という結果を考えれば「いける!」という気持ちが生じたとしても無理からぬところです。
それにしてもメンタルを一定の状態に保つのは難しい。 これを良い経験として、今後の活躍に繋げてもらいたいものです。 |
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