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a day in the life 庵里直見 フォーナイン 99.99tt |
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長谷川等伯の世界に学ぶ
税申告の最終日、朝一番で申告を済ませ(慌ただしかった・・・)、気分を一新して国立博物館で開催されている「長谷川等伯展」へ行ってきました。 長谷川等伯といっても、歴史の授業で「安土桃山時代を代表する画家。襖絵、屏風絵、障壁画などに名画を残す。代表作に松林図屏風」と習ったことくらいしか分かりませんでした。 しかし、やはり本物に触れるのはいいことですね。 私のようなものでも、「何だか凄い」くらいのことは感じられました。
私がまだ高校生の頃ですが、京都のある古美術商の方がこう言ってくださったのを思い出しました。 「できる限り本物を観なさい。勉強しようとか、目を養おうとか思わなくていい。とにかく観なさい。そうすれば、本物に出合った感動が分かるし、偽物を観た時に『これは違う』と感じられるようになる」 そしてこう続けてくださいました。 「もし勉強したいなら、それから勉強しなさい。頭でっかちになっても、見えない人には見えないものだ」
私の目など節穴以下ですが、この日は「良いものを観せていただいた」と感じました。 国宝や重要文化財がずらりを並び、どれも素晴らしいものばかり。それは壮観です。 一応予習をして観にいったのですが、様式美だけでなく生命の躍動感を感じさせてくれる、という解説通り、国宝「楓図」は金箔の上に色鮮やかなカエデが描かれており、確かに『狩野派』との違いが感じられました。一方の国宝「松林図屏風」は打って変わって静けさを感じさせる墨絵。彼の精神がよく現れていますが、同時に得も言われぬ力強さ、迫力を感じさせてくれるような気がしました。
そこが本物たる所以なのでしょうか。 チラシの写真からも何か感じられませんか? |
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この日は貸し切りイベントでした。有名な方の展覧会だと大変な人で、ゆっくり観ることもできないという場合が多いのですが、人も少なく、本当に堪能できました。先日も古代エジプト、アレキサンドリアの海の中から発見された宝物「海のエジプト展」の招待券が入手できたのですが、その時も貸し切り。本当に贅沢なひとときです。
良いものを知っている人物というのは仕事をご一緒させていただいても分かりますね。良い仕事をする方は本物を御存知だし、知識も豊富。良く勉強なさっているなあ、と感じさせられます。質問をすると本当に詳しく教えてくださるので、お話を聞かせていただくだけでも楽しいものです。イチロー選手が『ぼくは天才ではありません。なぜかというと、どうして自分がヒットを撃てるかを説明できるからです』というのと似ていますね。 そうした方々に共通しているのは、「学ぶ』という姿勢を持っていること。頭が柔軟で、好奇心が旺盛。人生を楽しんでいらっしゃいます。そして強い向上心、飽くなき探求心をお持ちです。 「時間がない」という言い訳は「やる気がない」と宣言しているようなもの。「知らない」とは「自分は学ぶ意欲がない」と言っているのと同じ。 素晴らしい方との出会いは『私も勉強しなければ』という気持ちを湧き起こさせてくれます。
そういえば、随分前ですがスキーに行った時、友人の知り合いが桐朋出身のチェリストで、仕事場から直行してこられたのです。そして宿に入るとお疲れであろうにも関わらず、本当に私たちの目の前で何曲が弾いてくださったことがありました。
それはそれは素晴らしい経験でした。マイクも通していませんから、本当に生の音。CDでは絶対に伝わらない世界がありました。 『チェロってこんなにいい音がするものなんだなあ』と驚いたのを覚えています。もう背筋がゾクゾクとするくらいいい音。
本物を観ること、聞くことは大事ですね。
その時も音と湿度の関係や巨匠であった斉藤秀雄氏がどんなに努力をなさっているかについて、熱心に語ってくださいました。「ある朝、早くに目が覚めて散歩していると、斉藤先生が自分の部屋で一心不乱に指揮棒を振っていらっしゃるのが見えた。あんな巨匠が私たちよりもずっと努力なさっているのを見て、頭が下がった」とおっしゃっていました。
巨匠・本物とはそのレベルではなく、絶えず努力する姿勢のことをいうのかもしれません。
ところで、お菓子屋さんではつまみ食いをさせないようにするために、新人さんに『もう食べたくない』と思うほど甘いものを食べさせるという話を聞いたことがありますが、それは本当なのでしょうか? |
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